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Freely 起業のきっかけ Vol. 2

Freely Founder
中村正剛

アフターコロナのフードビジネスを考える

世界に大きな影響を与えた新型コロナウイルス。レストラン産業が今後もこの影響と戦っていかなくてはならないことは、理解に容易いものです。だから、既存のあり方に固守することなく、新しい飲食ビジネスのあり方を創造することが急務だと考えています。

そもそもでビフォーコロナの飲食業界も大きな問題を抱えていました。
あらゆる業態の店が乱立し、国内マーケットは過当競争になっていました。各店でお客の取り合いになっていて、ここ数年は新規開業数よりも閉店する店の数が上回ることもしばしば。加えて、安くメニューを供する価格競争になっているにも関わらず、仕入れや運営するため販管費などコストは上昇する一方。そのため従業員に満足な給与を与えることもできず、離職者も増加していく。そして、このコロナ禍です。唯一、活路となっていたインバウンドも各国で渡航自粛・禁止となっては閉ざされた状態。さらに言えば、仮に自粛や禁止が解除されたとしても、たくさんの外国人が日本に訪れる、以前のような状況に戻らないと予測されます。

少しずつ規制緩和され、日常が取り戻されつつありますが、コロナ禍を経験してきたからこそ、社会も、そして人々ももとの生活のままとはいかず。例えば、今やほとんどの人がテレワークを受け入れるようになりました。となると、自宅にいる時間が増えるのだからマーケットはオンラインへ。外に出る機会が少なくなると、外食需要はきっと減るはず。
そして、先日とあるニュースを目にして驚いたのですが、収束後は約7割の人が外食を控えるとのこと。これは店内が密になる感染リスクからという考え方もできるし、経済が冷え込んでいるからという考え方もできる。いずれにしろ、外食の頻度は少なくなると。
また、店をリスタートしたとしてもソーシャルディスタンスは取り入れなければいけないなど運営には制限が付きもの。以前に比べれば、お客の収容人数は明らかに減ります。実は、私の経営するカナダのレストランは営業を再開するために、日本よりもさらに厳しい制限をかけられていたりもします。

つまり、以前にも増してマーケットが縮小するうえに、経営環境が悪化するのです。誰もがすでに感じている通り、破壊的な未来に向かい、ビフォーコロナの飲食業界にはもう戻れないんです。

飲食業界のあり方を変えるために舵を取る

コロナ有事以前より外食産業の経営環境の変化とそのリスクを推定し、準備していた未来創造に向けたチャレンジの必要性が加速度的に高まりました。社会、そして人々の生活や慣習が変わろうとしている今だからこそ、飲食業界は変革のタイミングだと思っています。だって、現状を受け入れるだけではネガティブなままだから。
飲食に深く根差した精神論や根性論では、先細る業界の中で通用はしない。また、国や金融機関から資金援助を受けたとて、一時しのぎにしかならない。打開されないなら、数カ月後には同じように資金繰りに苦しむだけです。

キックオフをしたばかりのFreelyは業界内の合理的な働き方を提唱していましたが、縮小化にあるマーケットの中で企業や料理人といった同業者が競争ではなく共同して生きていくためのコンサルティング介入や、皆のビジネスチャンスを増やすためにグローバルを視野に入れた事業開発にも注力していきます。働き方はもちろん、さらに範囲を広げて、これからの飲食業界のあり方を創造していくことをFreelyのミッションに掲げます。