コンテンツ運営

Freely 起業のきっかけ Vol. 1

Freely Founder
中村正剛

合理的な働き方が飲食の現場に変化を生む

私は、寿司を炙る“Aburi Sushi”というコンセプトを創り出し、それを供する店をカナダを中心にグローバルに展開しています。なかでもバンクーバーにある『Miku』という店は、カナダでナンバーワンの日本料理店として、現地で高い評価を得ています。

今の飲食業界を見渡したときに、特に日本の業界全体が守りに入っていると感じています。
例えば、星付きのレストランならオーナーシェフが厨房で常に動き回っているから、若手には機会がなく、なかなか育たない環境になっている。シェフも自分が働くことで料理のクオリティが保たれるから、仕事を任せられない。また、自店以外のことに目を向けられない。
レストラン企業なら、たとえ優れたスタッフがいても、任せられる仕事はルーティンワークばかり。そんなスタッフたちは同じことを繰り返していることに不満を感じ、つい職場を離れてしまう。
それぞれが現状を維持することに注力していて、とにかく変化がないんです。

本来、料理というのはクリエイティブなもの。料理人は「美味しい」を深掘りしてこそ。それなのに、取り巻く環境が邪魔をして、仕事を愉しむという本質を見失いがちになっています。
だから、そんな課題を整理する、合理的な働き方を提唱したいと思い、人材プラットフォーム・Freelyを作ったんです。

飲食で働く愉しさを追求できる未来に

Freelyには飲食店やレストラン企業、調理師学校がプラットフォーム内に登録されています。それぞれが同期し、働く場所をオープンにして、行き来できる仕組みができれば、きっと業界に変化が起こるはず。

星付き料理店のオーナーシェフなら店の運営以外のことにも興味を持ってもらいたい。企業や学校にスキルやノウハウを提供することや、またFreelyはイベントなども企画しているので、そういった場所にも出てほしい。普段の仕事とは違った体験ができれば、シェフにとってキャリアを見つめ直すきっかけになるかもしれない。
その間、店は2番手や3番手が切り盛りをすることになるけれど、彼らは経験を積む良い機会になる。もしシェフが供する皿よりもクオリティが落ちるなら、料理の値段を下げて提供するという手段もあるはず。もしかしたら、お客にとっては違った料理が食べれるから、それも一興かも。
きっと、それぞれにとってWin-Win(ウィン ウィン)になると思うんです。

レストラン企業も優れたスタッフをFreelyが企画するプロジェクトへ送り出せば、離職問題は解決されるはず。送り出したスタッフは違った経験ができて、しかもスキルアップもできる。加えて、すっきりとした気持ちで職場に戻れ、きっと不満も解消されます。
いない間は、確かに営業が大変になるかもしれないけれど、空いたポジションはFreelyに登録している人材を迎え入れて埋めることもできます。

調理師学校が関わるのも、Freelyのプロジェクトを通して、早くから学生たちと料理人と繋いで、目指すべき料理人像を見定めてもらいたいから。

飲食店やレストラン、学校など所属は違えど、属する個人がやりたいことや得意なことを活かす機会を生み出し、それぞれにとっての飲食で働く愉しさを追求できれば。
そんな未来をFreelyで創っていきたいんです。